泥沼からの脱出コーチング

こんにちは。樋口研究室・認定ITコーチの飯田佳子(いいだよしこ)です。

仕事では自分ではどうすることも出来ない場面が山ほどあります。コンピュータの仕事でも、営業は売る事だけ、上司は管理する事だけ、開発者は技術の事だけを考えて、仕事していることも多いものです。

そういう状況では失敗も多くて、泥沼にはまり込んでしまうことも多いでしょう。私はそういう人を、うまく正常な状態に戻すために「脱出コーチング」というITコーチングのやり方を提供しています。

泥沼状態の3レベル

仕事の現場で泥沼に入っている状況を分析すると、正常な状態に戻る難しさに応じて、以下のような3つのレベルがあることがわかります。dassyutu01.jpg

レベル1
このレベルは、本人が自力でなんとか泥沼から脱出できる状況にある時です。このレベルでは、本人自身で今の状況を分析できて、自分の過去の経験や工夫を生かして上手に乗り切ることが出来ます。

レベル2
このレベルは、本人が自力で泥沼から脱出できないが、専門家の援助をもらうと脱出可能な状況です。このレベルでは、本人自身に不足している解決策や支援を、専門家の助言や補助をもらって回避できます。このレベルから脱出できる人は、専門家の話を聞くとか理解するなどの時間や余裕を持っている必要があります。

レベル3
このレベルは、本人が自力で泥沼から脱出できず、また専門家の援助をもらっても脱出できない状況です。本人自身に現状認識に必要な知力や体力が不足しているだけでなく、本人の周りの専門家の知力や体力も消耗している時にこの状況になると思われます。

私の経験からいうと、泥沼にはまっている本人に対してITコーチングが機能するのはレベル1とレベル2までだと思います。レベル3のように本人だけでなく、周りの人間のパワーも消耗している状態ではコーチングの成果が期待できません。そのため脱出コーチングでは、レベル3の状況をどのように乗り切るかがポイントになってきます。

管理者が泥沼から手を差し伸べる

脱出ITコーチングは、レベル3に陥っている本人にITコーチングを実施しても、マイナスパワーが渦巻いていますので、なかなか効果が出ません。そのため私は、このレベルを改善する役割を持つ人を対象に、ITコーチングをおこないます。具体的に言うと泥沼ご本人を管理するリーダーやマネージャーが、こういう人に相当します。dassyutu02.jpg

ITコーチが、管理者(リーダーやマネージャー)に対してコーチングを実施する場合、以下の3つのポイントに注意します。

■管理者が泥沼になっていないかどうか

まずITコーチは、管理者がレベル3にはまっていないか確かめます。レベル3にはまっている人が、レベル3の人を脱出させるのは、極めて困難です。

■第三者パワーが利用可能かどうか

次にITコーチは、脱出作業に第三者のパワーを活用できないか考えるます。管理者に、脱出作業には仕事に直接関係ない第三者のパワーが必要だ。そういうことを考えてもらいます。こういう例は日常でもよくあります。私もスキーをしていて新雪に足を取られて埋まってしまった事がありますが、初めは膝下ぐらい埋まっていたのが、もがけばもがくほど首まで埋まってしまいました。私を助けようと力を貸してくれる人も雪に埋まっていきます。結果的に、救助隊の人に助けてもらいましたが、この救助隊が第三者のパワーです。泥沼でもがく人を、組織や体制のしがらみ無い産業医や医師が診断書を書いて仕事を休ませる、こういうことも第三者のパワーに相当します。

■ご本人に戻れる場所を保証できるかどうか

最後にITコーチは、脱出するご本人に存在価値を見失わないように指示します。管理者に、脱出したご本人が生きる価値や存在を見失わないようフォローする手段を考えてもらいます。お医者さんに診断書を書いてもらって休養を手に入れたとしても、ご本人は一瞬、自分の存在価値を見失って意欲喪失したりする場合があるのです。管理者は「脱出した後でも、あなたの戻る場所ある」これを保証することが大切です。

回復には時間がいることもある

dassyutu03.jpg脱出ITコーチングは、泥沼に入り込んでいるご本人だけでなく、それを補助する管理者に重要なITコーチング手法です。

ご本人が精神的にも肉体的にも正常な状態に回復するまでには、ある程度のリハビリ期間が必要かもしれません。回復まで数年という非常に長い時間がかかることもあります。脱出を願う管理者も、ご本人の回復を根気よく待つ忍耐力も必要になってきます。

管理者は、泥沼にはまった人を早く見つけて、出来るだけ迅速にそこから脱出させるのが重要です。もしご本人が脱出に成功したら・・・。その経験はご本人に刻みこまれるでしょう。脱出したご本人は、今よりもっと質の高い仕事が出来るようになると思います。

(注)この文章はリンク自由ですが、コピーや一部利用される場合は、樋口研究室までご連絡ください。

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